大規模改修のエネルギーは新築と同じ

賃貸マンションにしろ、分譲マンションにしろ、いつかはやってくる大規模改修のタイミング。いざ始めるとなると、まず課題になるのは工事を依頼する業者選定。通常大規模改修工事は一定規模以上の意専門業者によって行われます。それは大規模改修には幅広い知識と経験が求められるだけでは無く、会社の規模や財務内容も工事の担保として求められる場合があるからです。実際に外壁の塗装や屋上の防水など、建築の寿命に影響を及ぼす改修工事や耐震補強工事など、メニューによっては小規模な工務店では対応しきれないノウハウが必要になることも事実です。発注先が大きな会社になると、当然工事単価は高くなりがちで、賃貸マンションの場合なら、経営が順調であれば改修工事の資金計画も立てやすく、回収予測も可能です。しかし普段から集客に苦労している物件であれば、さらに空室対策も兼ねた大規模改修工事を念頭におかなくてはならないので、想定以上の工事予算に回収の先行きが不安になります。大規模改修は工事内容の検討に業者の選定、そして空室対策も‥‥‥オーナーはまるで新築を建てるかのごとくエネルギーを必要とします。

もう一度新築できるレベルのチャンス

単純に外壁の改修をする場合でも、ことによれば白い建物を茶色にしたり、和風の建物を洋風の建物にする事もできるかもしれません。これってつまり建替え並みのインパクトがあるワケで、大きな集客のチャンスにつなげない手はありません。もう一度物件の弱点を把握し、周辺状況をマーケティングすることで、大規模改修工事の正しい方向性が見えてきたりもします。“きれいにする”のではなく、“生まれ変わる”ことで全く違った結果につながるチャンスとなるのです。

個性とトレンド ダブルの強み

昨今のトレンドは“ヴィンテージ”。家具や、ファッション、自動車など、従来の範疇を越えて、住空間にも“ヴィンテージ”の波が確実に来ています。分かり易いたとえは、団地を上手くリノベーションしたUR都市整備公団さんの事例。むき出しの躯体と、床などには自然素材の無垢材を上手くマッチさせたテイストは団地の持つ個性とロハス的な志向。これまでの狭い、古臭いといった団地イメージを払拭し、新しい価値を生み出していると言えるでしょう。これらは新築では見出せない、物足りないと言った消費者ニーズが全国レベルで存在している表れで、そこへ向けて従来のマンションはヴィンテージと言う個性を武器にし、新しいトレンドを加えた“新価値観”をもった商品をリリースしていくことがひとつの切り口となっています。

賢いオーナーはテーマが在る

さて、大規模改修には本来主たる目的があるはずです。耐久性を維持するための改修工事なのか、耐震性の向上なのか、あるいは設備の更新なのか。また、業者に診てもらって判断するといったオーナーさんも少なくないと思います。しかしたくさんの物件を保有、あるいは売買している“カリスマ”とも呼ばれる賢いオーナさんは、必ず自身の大規模改修工事にテーマを持たせています。これを業者任せにしてしまうと、予期せぬ改修提案が出てきたり、問題解決のプライオリティを見失ってしまい、思わぬ結果につながることも十分考えられるからです。「集客につながる外観の改修が最優先」、「外構工事とエントランスに的を絞る」、「設備設備更新に絡めたライトアップ工事」など。 ハッキリと目的と期待する効果を周囲へ伝えることで、工事関係者に効率的な提案とコストセービングを図る。賢いオーナーさんはテーマ創りと伝達が上手といえるでしょう。

良くも悪くも使い分け

“カリスマ”大家さんは同時に、“サラリーマン”大家さんの場合が少なくありません。 平素から第一線の厳しいビジネス・社会環境に身を置く身だからこそ、的確でクールな経営が出来るのでしょうか。 しかし兎にも角にも多忙なオーナーは次々に襲いかかる問題点に対し、瞬時の判断と、それらを託すパートナーのいる環境を普段から構築しているようです。 設計事務所の意見を参考に施工者へ依頼するオーナー、工種ごとに分離発注するシステムを持つオーナーもいます。各々監督監さんとの打合せが欠かせません。またワンストップの大手施工者へ依頼する場合にも、デザイン、コストについては何かしらのアドバイザリーを持っている場合がほとんどです。 複数の判断材料を持つといったところでしょうか。 いずれの場合も、オーナは良い業者を使い分け、あくまで最終判断は自らで‥‥‥。主体性こそが大規模改修の成功に関わることは事実のようです。