この記事では、世界的建築家である伊東豊雄氏について、解説致します。伊東豊雄氏の作品が展示されている今治市伊東豊雄建築ミュージアムや、彼が設計した建築物も一緒にご紹介します。

建築家・伊東豊雄とは?

出典:http://www.art-it.asia/u/admin_ed_feature/2SrxCLg45Yjipl36EZXF

伊東豊雄のミュージアムを紹介

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b6/Toyo_Ito_Museum_of_Architecture_Steel_Hut.jpg

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/6b/Toyo_Ito_Museum_of_Architecture_Silver_Hut.jpg

伊東豊雄ミュージアムは、スティールハットとシルバーハットの2つにおって構成されております。まずはスティールハットから見ていきましょう。4つの多面体が美しく連結しており、見るものを魅了します。おおまかに言うと、エントランスホール、サロン・テラスそして3つの展示室から作られております。のどかな自然の中にあることを逆手にとって、暗さと緊張感を醸し出すことに成功。明るい、楽しいという方向に捉われず様々なアプローチによって、人に衝撃を与え続けてきた伊東豊雄の真骨頂と言える仕上がりになっております。
シルバーハットは1980年代に彼が世へ送り出した代表作。それを見事に大三島で再現。アーチ状の屋根がいくつか連なっており、建築物の中では学生を対象としたワークショップが実施されており、図面を閲覧して楽しむことができます。開放感溢れる構造となっているため、晴天のときは爽快感がいっぱい。ただ風雨が強い際は、少々支障があったりすることも。本来であればついバランスをとってしまいがちなところであっても、伊東氏はあえて思い切ったやり方を選択することによって、建築史上に残る作品へと仕上げました。

伊東豊雄が送り出した建築物の外観

ここからは伊藤氏にとって代表的な建築物の外観を紹介していきます。かなり有名なものもありますので、これまでに見たことがあるというものもきったあることでしょう。

中本町の家(White U)

出典:http://www.toyo-ito.co.jp/WWW/Project_Descript/1970-/1970-p_04/1-800.jpg

パッと見た感じは、人が居住しているような空間に映りません。実は中本の家が作られるいたった経緯がありました。伊東氏の実姉が夫を亡くされた直後に、建築されたのです。伊東氏の実姉には、年端も行かない二人の姉妹がいました。「女性が三人で住める家」というテーマで作られたのです。建築する際にあったイメージは『洞窟』。確かに外側に向けられた開口というのがほとんど見られません。壁や床が白で統一されており、独特の味わいを醸していたと言われています。姉妹が無事成長して独立したあとは、取り壊されてしまったそうです。実姉とその家族以外が住むには適していなかったかもしれませんが、彼女達三人にとってはかけがえのない住まいとなったことでしょう。

シルバーハット

出典:http://www.tima-imabari.jp/about/silverhut/

中野区にあるこちらの建物は伊東氏の自宅を本人が設計したものです。メタルを素材にするという斬新な素材選びが成功につながり、1986年に日本建築学会作品部門を見事に受賞しました。伊東豊雄の名を世間に知らしめることになった80年代の代表作と言えます。

トッズ表参道ビル

出典:https://www.asahiglassplaza.net/gp-pro/column/designfiles/case4/gaiyo.htm

イタリアの有名ブランド「TOD'S」のショップです。コンクリート製の壁が上へ行くにつれて細かくなりながら伸びていくという、木々の枝を連想させるような作りとなっております。大通りに面している間口部分のみがガラスで作られており、他は全てコンクリート。商業ビルの王道と言える作り方に挑みながら、巧みにオリジナリティーを出していくのは伊東氏だからできたことと言えるでしょう。

ミキモト銀座2

出典:http://openbuildings.com/buildings/mikimoto-ginza-2-profile-2818

2005年にジュエリー店ミキモトの本社として完成を迎えました。一見、思うがままにデザインされているように見えるかもしれませんが、そこには「さすが伊藤豊雄!」と膝を打たせる工夫が、そこかしこになされています。柱の数を大胆に減らし、無造作に切り取られているかのごとく見える窓などは、巧みな計算の元に配置されており、見るものにインパクトを残す構造となっております。

台中国家歌劇院

出典:http://blog.livedoor.jp/kopobrick/archives/58806598.html

世界に名を馳せる伊東氏だけあって、日本以外でも多くの建築物を残しています。台中国家歌劇院は、曲線を前面に押し出すという大段なくりぬき方をしており、見るものの度肝を抜きました。都会の中には様々なデザインの建築物がありますが、その中でも一際、人目を引き衝撃を与えるものに仕上げる彼の手腕はさすがと言わざるをえません。

まとめ

才気煥発な建築家、伊東豊雄氏のパーソナリティーと彼が残した数々の作品を紹介してきました。建築物を体感するのには、やはり近い距離で見るのがベスト。ぜひ機会があれば、実際に伊東氏の圧倒的な才能を目の当たりにしてくださいね。