アパート経営・マンション経営は、ある程度まとまった収入が見込めて相続税対策にもなるという、低リスクな割にはリターンの大きな不動産投資です。本業とは別に、こうした副業を行っている方も多いのではないでしょうか。ですが、中には本業の方で出しているからと、確定申告についての意識が薄くなっている方もいらっしゃるようですね。
確定申告をしなかった場合、申告漏れや申告・納税が遅れた場合には、ペナルティが発生することがあります。また通常とは違う手続きを踏む必要が出てきます。今回はそうした、確定申告をしないことによるデメリットについて確認してみましょう。

確定申告をしなかった場合

追徴課税や延滞税が発生します。確定申告の期間は2月16日から3月15日までのおよそ1ヶ月間です。ここを過ぎてしまうと、本来確定申告で納める税金に加えて、無申告加算税というものが発生します。無申告加算税は原則として、納付すべき税額が50万円までならば15%、50万円を超えた場合は20%の割合を乗じたものとなります。ただし、税務署の調査を受けるより前に、自主的に期限後申告を行った場合や、遅れたことに正当な理由がある場合なら、5%に軽減されます。どっちにしても払う税額が大きくなるので、出すに越したことはありませんし、遅れないに越したことはありません。

確定申告に漏れがあった場合

納める税金が少ない場合や、還付される税金が多すぎた場合、過少申告加算税というペナルティが発生します。申告内容に誤りがあって修正申告した場合や、申告税額の更正を税務署から受けた場合に発生するペナルティです。新たに納める税金の、だいたい10%ほどの金額になります。税務調査を受ける前に、自主的に修正申告を行った場合、正当な理由がありそれが認められた場合などは、課税されないこともあります。
ただし上記のペナルティは、あくまで故意ではなかった場合のものです。隠蔽や仮装したと判断される悪質な行為に対しては、重加算税という重たいペナルティが課せられます。これは本来の納税額の35%にあたる金額になり、無申告の場合は40%にも届きます。申告内容は間違いがないよう、誤魔化さないで書くのが一番です。
 
確定申告の期間である2月16日から3月15日は、納税そのものの期限でもあります。期限内納税をしなかった場合、本来の納税額から見て利息に相当する延滞税が発生します。延滞税はその日数や本来の納税額、その年の税率などから計算されるので、明確に何の何%と明言できませんが、国税庁のHPに計算機があります。申告は期限内にしたけど納税は遅れたパターン、申告も納税も期限を過ぎてしまったパターン、修正申告のパターンの3つがあるので、自分に該当する計算機を使って実際に調べるのが確実ですね。
 
税金に関するものですから、実は課税で済めば可愛いものなんです。国民には納税の義務がありますから、故意に確定申告をしなかった場合、脱税と判断されることがあります。5年以下の懲役、もしくは500万円以下の罰金、またはその両方。これだけの刑罰が科されるほど、重罪だと考えられています。

追徴課税以外の問題点

追徴課税は、払えばそこで終わりです。ですが確定申告の遅れやミスで発生する問題は、むしろこの後が本番かもしれません。まず、金融機関からの信用を失ってしまいます。アパート経営やマンション経営を行う中、金融機関から融資を受けたいという場面は何度か出会うものです。このとき、審査のため金融機関側に提出するものの中に、確定申告の控えがあります。確定申告をおろそかにしていると、金融機関はひと目でそれを見抜きます。そんな相手に大金を融資してくれるでしょうか。確定申告を正しく行わないということは、アパート経営・マンション経営そのものに大きな悪影響を発生させる可能性まで含んでいます。裏を返せば、毎年きちんとミスなく確定申告を行っていれば、その点に関しては金融機関の信用を得られる、ということでもありますが。
 
次に、青色申告の取り消しというものがあります。青色申告には特別控除や損失の繰越といった特典がありますが、これらは原則、期限内申告でしか適用されません。このため期限内申告ができない場合、青色申告が取り消される恐れがあります。節税という意味ではこの青色申告、使わない手はないというほど大きなものです。節税を意識するのなら、確定申告は年に一度だけとはいえ、優先して対処すべき事柄でしょう。

家賃収入が低くても、赤字が出ていても、確定申告は必要なのか

アパート経営やマンション経営で家賃収入を含めた所得額が20万円以上発生していると、確定申告が必要になります。所得額とはこの場合、給与所得と退職所得以外の合計所得額になります。裏を返せば、副業での所得額が20万円以下の場合は、確定申告は必要ないということです。
 
また、赤字になった場合は損益通算によって、給与所得から源泉徴収される所得税から返金が発生します。いわゆる還付金ですね。アパート経営やマンション経営の所得税の課税方式の関係上、不動産所得の赤字を他の黒字で埋める形になるので、結果として納める税金を減らすことができます。経営スタート時、つまりアパートやマンションといった物件を確保した直後だと、初期投資のために赤字になる場合が多くなりますから、確定申告はしておくべきです。

きちんと確定申告した方が良い

ここまで見てくれば、確定申告をしないのは百害あって一利なしだとご理解いただけたと思います。それどころか、きちんとやっておけばプラスに働く要素も含んでいます。確定申告の期限は税務署の混み具合も異常なものになりますから、早め早めに準備をすることをお勧めします。