夫は仕事、妻は主婦といった考え方は、現代で廃れつつあります。最近では、アベノミクスの成長戦略による女性の社会進出への後押しもあったこともあり、共働きの夫婦・カップルが増加の一途を辿っています。現在では、夫婦だけでも全世帯の7割以上が共働きであるというデータが出ており、そういった家族のあり方の変化は、アパートやマンションにも影響を与えています。最近では、1LDKや2DKといった間取りの賃貸物件が急増していますが、その背景にあるのは何なのでしょうか?その背景と共働きしている夫婦が賃貸物件を探すうえ大切にしていることについてご紹介します。
出典:http://www.asahi-kasei.co.jp/
お互いの時間を大切にする
共働きをしているとお互いの仕事ですれ違いになるというケースがよくあります。データからも朝食や出勤などは別々に行動をする傾向にあります。そんなすれ違いの場面が多い共働きでも2人の時間を大切にしたいという思いから、夕食は2人で過ごすことが多い傾向にあります。また、帰宅後の時間は一緒の空間でくつろぐことが大切と考える夫婦は9割近くもいることがわかっています。このような背景からも広すぎない1LDKや2DKの2人で過ごすには十分な間取りの需要が高まっていることがわかります。
しかし、賃貸物件では、間取りの大きな物件に比べて安く暮らすことができる分、仕事で使うパソコンや家電、インテリア、衣服などが充実しており、持っている荷物は4人家族並の量に匹敵することもあります。そのため、1LDKや2DKなどの間取りだけでは収納が足りていないという現状もあるようです。特に初婚平均は、男が31歳、女が29歳、と30代になってからの結婚ということもあり、お互いに余裕があってそれぞれの荷物が多い傾向にあります。現在の共働き夫婦が探している物件では小さく、狭い空間でも収納が豊富であることが重要視されています。
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通勤時間を考えた立地条件
夫婦共働きになると賃貸物件を探すうえで重要となるのが、立地条件です。基本的に共働きとなるとどちらかの仕事場の近くに住むということが厳しくなり、お互いの仕事場の間の場所を選ぶ傾向にあります。基準としてはお互いの仕事場までの通勤時間が1時間以内であることが挙げられます。
共働きをしている分、お互いが家事を分担することになるので、通勤時間が長いと生活するのが大変という声が多いようです。ただし、それは子どものいない夫婦の場合であり、子ども持ちの夫婦の場合は、通勤時間よりも子どもための環境が大事で、環境を重視した物件探しをする傾向にあるようです。また、共働きをしている分、お金には余裕があるので、少々高い家賃でも条件にあった家を探す傾向にあります。
ファサードやエントランスの重要性
夫婦共働きで、あまり家賃にあまりお金をかけられないといっても、大切にしているのがファサードとエントランスです。ちなみにファサードは正面から見た外観のことで、エントランスはそのマンションやアパートの入り口となる部分のことです。そして、この2つはいわゆるその住まいの顔となる部分です。そのため、この2つが汚かったり、古かったりすると、たとえ中が綺麗でも、それだけでチープに感じさせてしまいます。できるだけ安い物件を探していたとしても、汚いファサードやエントランスの物件は人気が低く、逆に清潔で綺麗なファサードやエントランスのある物件は、それだけで人気が高くなる傾向にあります。ファサードやエントランスが清潔で綺麗な物件は、そこに住む人たちのステータスになると思っておいて良いでしょう。
その他の細かな条件
夫婦共働きとなると、お互いに仕事と家事で忙しくなるので、住まいには様々な条件が加えられます。立地条件は通勤時間が短いことも重要ですが、他にも仕事の行き帰りで買い物やクリーニングなど、ついでに何か済ますことができるというのも重要です。
お互いに仕事だけでなく家事もするので、やることが多い分、通勤や退勤のついでに用事を済ませることができ、時間を合理的に使えるこというのも重要なようです。最初にも述べましたが、夫婦共働きとはいえ、何かと荷物が多いので、2人で過ごすのには十分である1LDKや2DKでも収納が豊富にあることは重要です。また、共働きともなると2人とも家を出て、部屋を空けている状態も多いため、宅配ロッカーや24時間ゴミ出しOKの物件は時間を気にしなくて済むので、好まれる傾向にあります。
最後に細かい条件になるのがキッチンと部屋の構造です。2人で生活するとなるとキッチンはオープンキッチンであると、2人で作業がしやすく好まれます。また手間をかけたくない掃除は、少しでも手間を省くことができるように段差が少ないというのも好まれます。これらのことから夫婦2人で暮らす場合は、手間が省けたり、時間を短縮できたりと合理的な立地や設備と2人で一緒に楽しく過ごすことのできる空間こそが物件探しでは大切とされています。