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小さなこどもを持つ親、音楽を生業にしている人、楽器が趣味である人、大音量で音楽を聴くことがたまらなく好きな人にとって悩みの種と言えるのが騒音問題。もちろん誰もが静かに生活する権利をもっているわけで、こういった問題は落としどころを探すのが非常に難しいと言えます。
全てが丸く収まるやり方として防音のリノベーションを施すというやり方があります。実際にリフォームを行った人の事例を紹介しながら、防音リノベーションの魅力に迫ります!

後を絶たない騒音トラブル

ご近所間のトラブルとして最も多いのが騒音トラブル。楽器の演奏などで揉めるケースもあれば、こどもの泣き声などで発生するトラブルもあります。特に育児を巡るものは数多く存在します。お母さん側からすれば「こどもを全く騒がせずに育てることは不可能だし、少しくらいは我慢してほしい…」というのが本音でしょうし、騒音被害に遭っている側からすれば「泣かないように親が対応しろ!」と思うのもある意味しかたがありません。

乳幼児の時期を過ぎると、こどもは活発に動き回るようになります。飛び跳ねたりする子もいることでしょう。そうなると今度は下の階からの苦情が入りやすくなります。

音の伝わり方というのは壁や床をどういった素材にするかによって大きく変わります。同じ音量であっても、防音対策さえしっかりしておけば、かなり抑えることができるのです。

壁の防音対策

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壁の厚みがどれくらいあればいいかですが、150mm以上と言われています。もちろん厚いなら厚いほど音漏れを防ぐことができます。内装に関して言えば、コンクリの壁にビニールクロスを貼りつけるだけでかなりの防音対策ができます。また遮音シートや吸音材を忘れてはいけません。これらを採用することによって音の響き方、伝わり方をかなり抑え目にすることが可能になるのです。おおよその見積もりで言えば、18万円から25万円ほどの金額があれば防音工事をすることができます。

床の防音対策

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床への防音は、特に小さな男の子が複数いる家庭が積極的に導入を考えるケースが目立ちます。最近はマンションやアパートでもほとんどがフローリングとなっています。フローリング材を何にするかによって、音の伝達が変わります。

フローリングの表示にはレベルヘビーとレベルライトがあります。レベルヘビーはLHと表記され、重量床衝撃音です。こどもが暴れまわったときに出るレベルの音と考えれば分かりやすいでしょう。レベルライトは軽めの衝撃音。コップを落とした際や、スリッパで歩き回ったときに出る音です。レベルライトのあとに「LL-55」のように数字が書かれています。この数字が小さくなるほど防音効果が高くなります。「LL-45」は、音が聞こえるもののそれほど気にならないレベル、「LL-40」は、遠方からかすかに聞こえてくるレベルです。通常のフローリングは「LL-60」ですので、こちらを標準として考えるといいでしょう。

床は二重床とじか張りの二種類があります。床を二重構造にすることによりどういったプラス面が生まれるかと言えば、コンクリート床へと伝わる衝撃を弱めることができるのです。音が下の階へと伝わることを防止できます。じか張りは、コンクリート床に直接フローリングを貼りつけるため、音が階下へと響きやすくなってしまいます。緩衝材や遮音性の高いフローリングを貼ることによって音の伝わりを弱めます。

防音機能の高い床材への張り替えは25万円から30万円ほど、床材の下へ遮音マットを敷くのには30万円から60万円ほどの費用がかかります。もちろんこのふたつを組み合わせて発注することもできるので、そのあたりは用途に応じて選択するようにしましょう。

意外と忘れやすい換気扇!

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意外と忘れがちなのが換気扇周りの防音対策です。開口している部分がかなりありますから、元来、音漏れをしやすい構造になっているのです。防音効果の高い換気口が売られておりますので、そちらと交換することでかなり音を漏れにくくすることができることでしょう。

屋外にあるキャップのみを替えるものと、室内にある換気口をまるごと取り替えるもの、ダクト内へ吸音材(防音パイプ)を入れるものなどがあります。費用はそれほどかからず、高くても5万円あれば十分だと考えられます。

屋外キャップだけですと7,000円ほど、屋内換気口と屋内キャップを取り替える場合は、14,000円かかります。防音パイプが最も安く1,500円あれば工事が可能です。

費用を抑えたい気持ちは分かるけど……

全ての防音対策をするとなれば、かなりの予算が必要となります。中には格安の料金を提示してくる業者もありますが、あまりに安すぎるところは怪しんだ方がいいでしょう。

まずはどの音を防ぎたいのかと、料金はいくらまでなら支払うことが可能なのかをはっきりと業者へ提示してみることです。複数のリフォーム会社から相見積もりをとって、最も条件の良いところを選んでみるというのも賢いやり方と言えるでしょう。焦らずにじっくりと考えてから、最良の選択をするようにしましょう。

くり返しになりますが、安さのみを追求するとあとあとで後悔することになりかねません。材質にもある程度こだわった方が高い効果を期待することができます。