迷惑施設を楽しげなデザインに

大阪湾に浮かぶ人工島・舞洲には、まるでおとぎの国のような建物があります。波打つような外壁にはお城のような飾りが並んでいて、高く立ち上がる煙突も含めてビビッドなカラーで仕上げられています。そして煙突のてっぺんには金色にピカピカと輝く丸い玉。誰がどう見ても楽しいテーマパークにしか見えません。
実際、ここをユニバーサルスタジオジャパンだと思ってやってくる観光客もいるといいます。
これ、実は大阪市環境局の舞洲工場、つまりゴミ処理場なのです。オーストリアの芸術家フンデルトヴァッサーさんのデザインです。
人が生活する上で、必ず出るのがゴミです。しかし、ゴミ処理場を建設しようとすると、周囲からはたいてい反対運動が起こります。いわゆる迷惑施設です。騒音や悪臭、交通量の増加といった実際の影響のほかに、景観が悪くなるから、なんて理由もあるでしょう。「だったらせめて外見だけでも楽しげな感じにすれば少しは好かれるのではないか」という、ちょっと不思議な方向にいってしまった感がすごいですが、これもひとつの解決なのかもしれません。

「物件の顔」の厄介者、ゴミ置き場

集合住宅でも、避けて通れないのがゴミ置き場の問題です。敷地の一部を単にコンクリートで仕切ったオープンなものをよく見かけますが、ちょっと気になります。ゴミを置く場所ですから、どうしても雑然としてしまいますし、自ずから生活感もあふれてしまいます。掃除を考えるとコンクリートそのままになりがちですし、ゴミが置かれていないときには殺風景です。
ゴミ回収のことを考えると、表の道路に面して設置することになりますから、どうしてもエントランスに近い場所になりがちです。
エントランスのすぐ横にコンクリートブロックで四角く区切られたゴミ置き場があって、無造作にゴミ袋が積み上げられている。それではせっかく綺麗にリノベーションしたマンションの顔が台無しです。

ゴミ置き場にこだわりを!

出典:ゴミの捨てにくいゴミ置き場

そう、ゴミ置き場。魅力的な物件はここのデザインにこだわらなければならないのです。なにも舞洲工場のようなおとぎの国にしようというわけではありません。いや、もちろんそういうのが好きだったら止めはしませんが。もうちょっと普通にさりげなく、全体的な外観にマッチしたゴミ置き場というものを考えてみましょう。
まず、オープンなゴミ置き場をやめて、ドアのあるクローズドなものにすることをお薦めします。施錠することで、物件の入居者、住人以外の人が勝手にゴミを捨てていく、ということがなくなります。また、カラスやネコに荒らされるのも防げます。もっともカラスにしてみれば「食べられるもの出すんやったら食べやすいように出してよ」って思ってることでしょうが、とにかくこれでひとつ朝から戦いの火種が減ります。また、ゴミを出す入居者にとっても、不審な人にゴミを漁られるのでは、という不安が減ることになります。
もう一つ、クローズドなゴミ置き場のいいところは、デザインの幅が広がるということです。例えば格子状のものにするか、それとも物置のように壁と屋根のあるものにするか。もし壁のあるものだったら材質は何にするか、コンクリートなのかスチールなのか。色はどうするか、絵やロゴを入れるのか、など選択肢がいろいろあります。
それらを物件と合わせてデザインすることで、全体的な魅力を高めることができるのです。

ゴミ置き場のリノベーションを楽しもう!

人が住まう上で避けて通れないゴミ置き場の問題。不動産の経営をしていくときには頭の痛いものですが、考え方を変えればこれは他の物件と差別化を図れる部分でもあります。清潔感があって使いやすい安心なゴミ置き場は、そこでの生活を考えるときに大きな魅力です。リノベーションを考える場合、非常に力の入れ甲斐のあるところとも言えるでしょう。
オリジナリティにあふれた(あふれすぎてもよくないですが)ゴミ置き場のデザインを楽しんでみませんか?

著:おじま あきら