出典:https://suvaco.jp/

リノベーションは、今まさに隆盛を極めています。住宅そのものの耐久年数の向上や、住宅を新築で購入するより、中古住宅を買って自分でリノベーションした方が、安くつく事情などが絡んでいます。では、中古住宅は、理想的な部屋・家をつくるにあたって、程度の劣る新築住宅の代わりの物なのでしょうか?

ヒップホップに、サンプリングという表現方法があります。過去の曲の一部分を切り取り、ラップのビートに載せて作曲する手法です。キャッチーなメロディの作曲方法は、過去の膨大なヒット曲の分析から、半ば確立されているのに、なぜわざわざ著作権料を払ってまで、そんなことをするのでしょうか。

それは、曲一つ一つに、歴史が刻んだオーラがあるからです。過去の曲を早回しして引用したり、一部分を切り取って援用しなければ出ない曲の雰囲気があります。

リノベーションも同様です。住宅とまだ契約していない段階なら、趣向に合う家宅を探せるかもしれません。しかし、ありあわせの家をリノベーションしても、間取りや床や壁に、リフォーム物件や新築住宅には出せない雰囲気が宿ります。レトロな雰囲気を、リノベーションで出したいと思うのなら尚更です。

今回は、リノベーションでどのようにして理想の部屋を手に入れられるのか、また、リノベーションの際の注意点なども説明します。

家具を活かすためのリノベーション

出典:https://stylehaus.jp/articles/630/

リノベーションをするときに、まず家具から部屋のデザインを組み立てていく方法もあります。リノベーションは、自由度が高いです。なにから手をつけていいかわからない方は、まず自分で制約をかけて、そこから発想していく手法をオススメします。

例えば、あえてモノトーンの家具を揃えて、そのまま壁紙も同系色で揃えたり、逆に画像のお部屋のように、ウッドパネルに色を付け足して、華やかにしてもいいです。

家具からリノベーションを組み立てる方法のいいところは、修正がしやすいところです。なにかそぐわない、目指す方向性が違うなと思ったときは、家具をどかせばいいだけです。壁紙や床からだと、修正に手間暇がかかってしまいます。

出典:http://www.decoist.com/brick-wall-dining-rooms/

壁紙と床は、部屋の印象を決める際に、最も強く作用するものです。リノベーションには色々な流行がありますが、中でも人気なのは、<2017年の流行であるインダストリアルインテリアのブルックリンスタイルのリノベーション〉です。ブルックリンのアーティスト達は、古い住宅を改装し、魅力的な空間を創造しました。そのスタイルは世界中に広がり、日本でも一つのジャンルとして確立しつつあります。

家具から考えるリノベーションの利点として、すぐに取り替えがきくと書きましたが、逆にいえば、特定の印象を放つ壁紙や床に囲まれながら、「ここに迷彩柄のファブリックパネルを置こう」だとか、「スツールの椅子を窓際に飾ろう」など、イメージしながら内観を企てることができないことも同時に意味しています。一長一短があります。

間取りから考えるリノベーション

出典:http://www.youngarchitectureservices.com

間取りは、リノベーションの基本要素です。価値観やライフスタイルが、間取りにはつまっています。

間取りからリノベーション案を思いつくのは、かなり大変です。まず、部屋に差す光量・時間帯、自分の習慣・趣味、家族がいる方は家族が各々くつろげるスペースの確保など、色々と考慮しなければなりません。

しかし、リノベーションとは、既製品を活かして自分の理想に近づけるという発想からスタートしたものです。どんなソファーを置こうだとか、どんな模様の壁紙やパネルを使おうかと考える前に、生活空間としての部屋・家から、アイディアを形にしていくスタイルが、本来的なリノベーションスタイルです。

「間取りから発想する」のは、建築家でもない限り大変かも知れません。例示するなら、玄関廊下の側面に大型の姿見ミラーを設置するなどすることです。空間が広く感じられます。また、西日の指す方角に、柵と蔓性の植物を用意して、グリーンカーテンを育てる方法なども、間取りからの発想です。

リフォームや新築住宅のように、間取りそのものを変えるのではなく、制限の中で「遊ぶ」ことも、リノベーションには必要になってきます。

リノベーションの際の注意点

出典:http://www.build.com.au/ten-spectacular-renovation-fails-0

壁紙を張り替えたり、ミラーを設置するといった、間取りをそのままに活かした改装なら気にする必要なないのですが、たとえばキッチンを少し作り変えたり、冷蔵庫をはめ込む枠を作った際に、問題が生じやすいです。

画像のように、引き出しが完全に開かなかったり、ある家では、冷蔵庫を枠に置いたはいいが、扉が開かなかったりしたそうです。

リノベーション事業者は、昨今業界が賑わいを魅せていることもあり、増加の一途をたどっています。技術力や、客の要望と真摯に向き合う度合いなど、ピンからキリまであります。

いい業者を見分ける一つの基準があります。客のリノベーション案のメリットとデメリットを教えてくれるかどうかです。この壁紙だと、夏の間はかなり暑くなりますよと教えてくれたり、ディアウォールを置くには、天井の歪みがありすぎて少し危ないことであったり、ただ要望をきくのではなく、時間をかけて向き合ってくれる業者さんに、仕事を頼まなければいけません。

可能性は無限大のリノベーション

出典:https://www.street-academy.com/myclass/379

リノベーションの可能性は無限大です。あらゆるスタイルがあります。ブルックリン風、西海岸風、和モダン風、モダン建築風……、どんなスタイルも、制約の中で選択できます。そして、オシャレな部屋の中で過ごしていると、やる気や夢が湧いてきて、とてもポジティブな気分になれます。是非、みなさんも、未来にできる自分の理想の部屋に思いをはせながら、色んなアイディアを実現させてみてください。