建物の一階に設置されている車庫であるビルトインガレージは、インナーガレージとも呼ばれています。バイクや自動車を駐車することができるビルトインガレージは、車をこよなく愛する人からすれば憧れのスタイルかもしれません。今回は事例を紹介しながら、ビルトインガレージにはどういった利点があるのか、そして気をつけるべきことなどについて説明していきます。

まずはデメリットをご紹介

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まずはデメリットから紹介していきましょう。何と言っても住宅一階部分のほとんどを取られてしまうことです。田舎など土地が安いところであれば問題ないのですが、東京やその近郊といった都会などは土地代がかさむため、スペースを何に使うのかというのは非常に大きな問題です。家族の反対を押し切ってビルトインガレージを作ることで、関係がギクシャクすることもないとは言えません。案外みんなが納得する形で作るのは難しいガレージなのです。
また建物の強度に関しても気を配る必要があります。一階をガレージにしてしまうことで、土台を支える力が弱まってしまうこともあるからです。木造の住宅であれば建物の強度が下がり、ビルトインガレージにすること自体が不可能になる場合もあります。
ガレージを作らずに駐車場を安く借りる方が大局的に見れば、お得になることもよくあります。すぐにビルトインガレージにするのではなく「どのような選択肢が最も良いのか?」を熟考するようにしましょう。

お次はメリット!

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最も大きなメリットは車をしっかりと保護できるというものです。車好きの人は愛車を「自分の分身」のように感じるほど大切にするものです。安全管理がしっかりしていれば、車を傷つけられる心配もありません。

車を外に駐車していると、雨や風で汚されてしまうこともあります。例え上からの雨はある程度防ぐことができても、横から吹きつけてくるような雨であれば、側面がかなり汚されてしまうことは必至。車が汚れるのをいつまでも放置していると見栄えが悪いですし、何より愛着あるものが汚れたままだと落ち着かないでしょう。それなら最初から雨や風に晒されないところに置いておいた方が良いと言えます。

またこれからの日本は超高齢社会に突入します。団塊の世代がお年寄りになったことで一気に老齢化が進みました。もし家族で足腰の状態が良くない人がいれば、お年寄りの部屋のすぐ近くにガレージを作っておくことで、外への移動がしやすくなります。そういう観点でいけば、これからビルトインカレージの需要が増えていくことは十分に考えられます。

ガレージを作る前に……ちょっと待った!!

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ここまで読み進めてきて「自分もビルトインガレージにしてみようかな?」と心が傾いた方はもう少しだけ待ってくださいね。工事の前に臭気や排気への対策を十分にしておく必要があります。ガレージの隣にリビングを設置する際、排気ガスによって温度が上がってしまう可能性があるのです。夏場に冷房が効かないと家で過ごすことが辛くなってきます。家族から「こんな暑い家にはいたくない」と不満が上がりかねません。

リビングがすぐ近くになりそうな場合であれば、二重サッシにするかあるいはペアガラス、防音と断熱性が高いガラスを導入しましょう。あとは換気扇も忘れないようにしてください。排煙や防音、断熱をどうするのか想定しておくことは、非常に大切なのです。
ビルトインガレージの工事を手がけたことのあるリフォーム会社なら、過去の経験から様々な情報を持っています。自分の家が現在、どういった状態にあり、どのような問題点が出そうなのかを教えてもらいましょう。リフォーム業者の人を自宅に招いて、見てもらうことで適切なアドバイスをもらうことができます。

事例①

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父親、母親、二人の息子という四人家族の事例を紹介しましょう。車が大好きな父は高級車を二台保有しています。かねてからビルトインガレージにすることが夢だった父は、思い切って一階の全てをガレージに使う決断をしました。排気ガス対策もバッチリでダクトを設けることでクリアしました。子どもたちが使う自転車、妻が使うバイクの収納スペースも見事に確保しています。家族全員がきちんと納得できる形でガレージを設置できたため、成功例と言えるでしょう!

事例②

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車以外にもバイクの趣味があるという男性。車とバイクを置ける小規模型のビルトインガレージを作りました。車を手前に停めてバイクをその奥に駐車するという配置になっています。都内のため家自体がそれほど大きなスペースを持っていなかったのですが、それでも満足いく形に持っていくことができました。このように広さがそれほどなくても、工夫次第でビルトインガレージを導入することができるのです。

信頼できる業者を探そう!

例えスタイリッシュなガレージができたとしても、家の強度が弱くなってしまっては本末転倒となってしまいます。家族の全員が納得できた上で便利に使うことのできるガレージにするためには、信頼できるリフォーム業者を探すことが必要となります。「夢の空間作り」の手助けをしてくれる業者を見つけて、かねてからの念願を叶えられるといいですね!