外観リノベーションは物件名もおしゃれに着替えるチャンス
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古い物件を今風に生まれ変わらせたり、ターゲット層の好みに合わせた雰囲気にしたり、外観リノベーションをすると物件の印象が大きく変わるもの。
すると今までの物件名がしっくり来なくなったりして、心機一転物件名も変更しよう!そんなふうに考えるオーナーさんもいらっしゃいます。素敵なネーミングができれば、物件への愛着もきっと一層湧いてくることでしょう。
もちろん物件名が格好良いからといって、部屋の設備や使い勝手がよくなるわけではありません。
しかし賃貸物件を探す側にしてみると、意外と物件名が物件の印象を左右する部分もあるのです。特に物件探しに細かいこだわりを持つ女性の場合は、物件名が入居への障害になることも……。
センス次第で入居率への影響もありうる賃貸マンション・アパートのネーミング。リノベーションで生まれ変わった物件に、コレだ!という名前を付けるためのポイントをご紹介します。
物件ネーミングの基本ポイントを抑える
●言いやすくて聞き取りやすい名前
生活する上では、口頭で住所を人に伝えなければならないことが度々あります。
住所を伝えるときに発音しにくい名前、相手が聞き間違いをしやすい名前にならないようにしないと、日常生活の中で不便を感じ、小さくはないストレスとなるでしょう。
●書きやすい名前
荷物や郵便物の発送、役所や銀行等での手続きなど、パソコンやスマホでできることも増えましたが、それでも住所を手書きする機会は数え切れません。
長いネーミングにしたり、画数の多い漢字を使ったり、書きにくくて手書きが面倒になる名前もやはりストレスになります。
●親しみが持てて印象に残る単語の組み合わせ
よくある単語の組み合わせだと印象に残らず覚えにくくなってしまいますが、馴染みの無さ過ぎる単語で名付けても、親しみが持てずこちらも覚えられません。
覚えやすい物件名は物件探しをしている人に対しても印象を残すことができて、大きなアドバンテージとなります。「親しみ」と「印象強さ」のバランスの取れた単語の組み合わせを考えましょう。
具体的なネーミングの考え方
●ターゲット層を意識して、建物の雰囲気に合ったネーミング
外観リノベーションを行う際に大切なのは、ターゲット層のニーズを叶える工事を行うこと。物件名も物件の雰囲気を反映し、ターゲット層に好まれるものにしましょう。
例えばヨーロピアンテイストのデザインなら、フランス語やイタリア語などでの名付けがぴったり。女性を主なターゲットとしている場合も、おしゃれな印象を与えるのでおすすめです。
お年寄りの多い地域や和風または和モダン風の外観の建物なら、耳慣れない外国語より日本語のみの名付け、または「〇〇ハウス」「〇〇ハイツ」といったよく知られた英単語を使う方が受け入れられやすく、雰囲気にもマッチします。
●人気エリアは地名がブランド
関東なら「横浜」や「吉祥寺」、関西なら「西宮北口」「梅田」など、住みたい街として人気を集めるエリアの物件なら、物件名にも地名を使うと良いアピールになります。
地名そのものがブランドとなっているため印象に強く残りますし、わかりやすさ、覚えやすさの点から見ても優秀なネーミングです。
●周囲のマンション・アパートと区別できる名前にする
「地名+ハイツ」「ドミール+地名」「カーサ+地名」のように、賃貸物件によく使われる外国語と地名を合わせた名付け方だと、近所に似た名前の物件が存在する可能性があります。
「カーサ・ビアンコ(伊:白い家)」「ピトレスク・ドミール(仏:眺めの良い住宅)」のように、外国語の形容詞や物件の特徴などの要素を加えて、似たような名前にならないようにしましょう。
オーナーさんの名前を物件名に付け加えて個性を出す方法もありますが、名前をそのまま付けると野暮ったさを感じて敬遠する人もいます。イニシャルを付ける、名前の一部を外国語にして物件名に加えるなど、おしゃれな名前になるよう工夫をしてみてください。
マンション・アパートの名前を変更する際の注意点
マンション・アパートの名前を構成する要素は大体次の4つに分けられます。
1.物件を表す不動産用語(荘、ハウス、カーサ、ドミールなど)
2.物件がある場所の地名
3.物件の特徴や立地を表す言葉(ビアンコ、ピトレスク、クレール(明るい)、ハイツ(高台)、パークヒル(丘の公園)など)
4.その他好きな言葉や物件のイメージを投影した言葉
全ての要素を組み合わせても良いですし、シンプルに2つの要素で構成しても良いでしょう。
ただし1、2の要素のみで名付けると、よくある無個性なネーミングになりがちです。似た名前の物件と混乱しそうなら、3、4のどちらかの要素を入れましょう。物件名にどんな個性を与えたいかをよく考えて、加える言葉を工夫してください。
マンション・アパートの名前を変更すると、入居者は役所などあらゆる場所で諸々の変更手続きをしなければなりません。一度つけた名前がしっくりこないからと、何度も名前を変えると大変な負担を入居者に強いることになります。
変更するときには付けたい名前の方向性、使いたい言語や単語をしっかり検討して、「コレがベスト!」という名前に決定しましょう。
著:猫野 千秋