出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/364173?title=マンションの間取りと図面

「魅力が伝わる物件広告チラシの作り方」にて、物件広告づくりの基本とコツをご紹介しました。
今回は「魅力が伝わる物件広告チラシの作り方2」として、前回の記事に記載した<物件チラシの掲載要素>の一つ、「物件のアピールポイント」の考え方と、そのアピールポイントを際立たせる紙面構成について詳しく解説していきます。
 
※不動産広告の記載にはルールがあります。記載ルールを守って紙面づくりをして下さい。
※参考:http://www.rftc.jp(不動産公正取引協議会連合会)
 

物件のアピールポイントの考え方

物件の特徴は、「希少性のある特徴や条件」「間取りや設備などの室内に関すること」「外観や共有部分など建物そのものに関すること」「立地に関すること」の4つに大まかに分けることができます。
下記を参考に、所有物件の特徴を書き出してみましょう。
 
<希少性のある条件や特徴>
ペット飼育可能またはペット共生物件、楽器演奏も可能な防音設備の整った物件、DIY可など、ニッチでも確実なニーズがある条件や特徴。
 
<部屋や設備について>
・キッチンが広い、バルコニーが広い、収納が充実しているなどの間取りの特徴。
・窓の外のロケーション、日当たり、風通しの様子(部屋の向きや窓の外の拓け方、窓が2面以上あるかで判断する)。
・バス・トイレ別、シャワー付き洗面台がある、オール電化など、部屋の設備の詳細。
・リフォーム・リノベーション済みかどうか(室内の綺麗さ、設備の新しさがわかる)。
・デザイナーズ物件かどうか。
 
<外観と共有部分について>
・外観やエントランス部分のデザイン性。
・どのような共有施設・設備があるのか。
・共有施設・設備の使い勝手。
 
<立地について>
・最寄り駅からのアクセスの利便性。
・周囲の環境は静かか。
・コンビニやスーパーなどは徒歩何分のところにあるのか。
・役所の窓口や病院など生活に深く関わる施設は近いか。
・物件のターゲット層が好む施設は付近にあるか。

掲載するアピールポイントを絞る。

紙面には限りがありますので、書き出したアピールポイントを全て掲載することはできない場合が多いはず。
まずは特にアピール力の強い特徴に絞ってキャッチコピーに採用するアピールポイントを決めていきます。
次に、ターゲット層のニーズに応えているアピールポイントから優先的に掲載していくようにしましょう。
基本的な優先順位として、下記を参考に掲載内容を絞ってみて下さい。
 
①希少性のある特徴、ターゲット層に刺さる特徴。
競合が少なそうな特徴であれば、キャッチコピーへの採用の第一候補として考えます。
外観やお部屋のデザインの特徴は、ターゲット層のこだわりに刺さることが多いので必ず掲載しましょう。特に女性をターゲットにしている場合は、キャッチコピーにすると効果的なアピールが期待できます。

②一般的に求められる新しさ・便利さに応える特徴
前住人の退去後にリフォーム・リノベーションを行っていれば大きなアピールポイントになります。数年経っていればできる限りの掲載でOK。あまり年数が経ちすぎていると逆効果となってしまう可能性もあるので記載を控えましょう。
※リフォーム・リノベーションに関しては、時期や工事内容を記載するルールがあるので表記ルールに従うこと。
宅配ボックスのように、需要が高いながら設置されていない物件もまだ少なくない設備も、ぜひ記載しましょう。入居の後押しになります。

③間取りや周辺地図から読み取れる特徴
お部屋の向き・収納の多さ・部屋の広さなど、間取りを見てわかる特徴に関しては、紙面に余裕がない場合は割愛することも考えましょう。
駅からのアクセスも基本的な物件情報として掲載されますし、買い物施設などは周辺地図の掲載があれば読み取れる情報です。
他にアピールポイントがある場合はやはり割愛しましょう。
 

キャッチコピーを引き立たせる紙面構成

●キャッチコピーは写真とセットが基本
キャッチコピーは、その物件において最も強くアピールしたい特徴となります。
訴求力をできる限り高めるために、キャッチコピーの内容をビジュアル面で補強できる写真と並べて掲載しましょう。
デザイン性の高い外観、海が広がる窓からロケーション、リノベーションしたての美しい室内など、紙面の3分の1、2分の1くらいのスペースを取っても構いません。
デザインに慣れてきたら、写真上にキャッチコピーを配置するなどの工夫をしても良いでしょう。
 
●キャッチコピー以外のアピールポイントの掲載
物件広告はテキストの量が多いとごちゃごちゃした印象になり、ひと目でうんざりされて読み込んでもらえません。
アピールポイントが少ない場合はそのまま箇条書きにしても良いのですが、掲載したい情報が多い場合は文章として掲載せず、アイコン化して載せてみましょう。
(参考:http://www.tohto.ne.jp/search/icon.htmlhttps://www.kobe-chintai.net/howto/icon
イラストだとチラシのデザイン性がアップしますが、難しければテキストを四角や丸で囲むだけでも見やすくなります。
素材サイトにも賃貸物件チラシ向けのイラストアイコンを見付けられますし、予算に余裕があればデザイン会社に外注するとオリジナリティのあるアイコンを作ってもらえるでしょう。
 

情報量と見やすさを両立しよう

物件チラシは見やすさが命です。
多くの情報を載せるなら、写真やイラスト(アイコン)を駆使して見せ方を工夫しましょう。
新聞記事のように文章が所狭しと並ばないように、キャッチコピーやテキスト情報の周囲には、ある程度の余白を作って下さい。デザイン性がアップしますし、内容の印象も強く残ります。
ターゲット層に訴求力の高いアピールポイントをしっかり掴んで、一番伝えたい特徴、一番見せたい特徴が伝えられる物件広告チラシを作りましょう。
 
著:猫野 千秋