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現在はネット上で物件を探すのが一般的ですが、物件の詳細を知ってもらうには、「検索サイトで検索し、結果一覧からクリックで物件詳細ページへ飛ぶ」という手間が必須です。
入居者募集のアピール方法としては、手軽に紙一枚で物件詳細を知ることができる物件広告チラシもぜひ抑えておきたいところ。
物件をしっかりアピールできる物件広告を作るには、どんなことに気を付ければ良いのか、ポイントをご紹介します。

 

広告に必要な掲載要素を揃える

物件広告チラシは、それ一枚で物件を探す人が知りたいと思うことが全てフォローできていなくてはなりません。
必ず以下の掲載要素を揃えてチラシを作り始めましょう。
 
<物件チラシの掲載要素>
・間取図
・写真(外観・各居室・水回り等)
・家賃などの必要経費や入居可能時期といった契約に関わる情報
・物件の詳細情報(所在地や所在階、交通アクセスなどの基本情報のほか、設備仕様関係)
・物件のアピールポイント

 
物件探しをする人にとっては、「自分の希望条件に合うかどうか」が重要です。
物件広告を見ても条件に合致するかわからない場合、わざわざ問い合わせて確認する人ばかりではありません。記載がない=条件が合わない、あるいは悪条件だから掲載していない、と判断する人もいます。
 
問い合わせや内見申し込みといった次の行動に移りやすくするために、掲載要素をしっかり揃えて疑問点や不安点が残らないようにしてください。

写真は絶対に手を抜かない!

外観・居室・水回り・玄関等、全ての写真を掲載できればベストです。紙面に充分な掲載スペースが無い場合は、外観か居室の写真を必ず掲載するようにしましょう。
部屋の状態やアピールポイントにもよりますが、優先順位は基本的に、「外観≧居室>水回り>玄関等その他」と考えてください。
 
撮影をプロに頼めれば理想的ですが、コスト面で難しい場合がほとんどでしょう。
自力撮影する場合は次の注意点を守り、できるだけ美しい写真を撮影して物件アピールに繋げましょう。
 
<物件写真撮影の注意点>
・カメラ選び
室内写真は普通のカメラやスマートフォンで撮影すると、部屋が狭く見えてしまいます。少し専門的になりますが、焦点距離35mmフィルム換算24mm以下の広角レンズのカメラを用意してください。
広角レンズであれば一眼レフでなくコンパクトデジカメでも構いません。
撮影時の設定は、IOS感度400、フラッシュOFF、グリッド線ON、手ブレ機能ON、ホワイトバランスをオートにします。
・撮影時間
室内に自然光が差し込む午前中から午後3時頃までに撮影します。天気や窓の位置によっては撮影時に多少暗く感じるかもしれませんが、暗いぶんにはあとから修正が可能です。
・撮影方法
カメラはソファや椅子に座ったときの目線の高さに構えます。
部屋の柱や家具などの縦ラインが、グリッド線の縦ラインと平行になっているか確認してください。広角レンズでは画面の端の方が少し歪むので、内側寄りの縦ラインを参考にしましょう。
ただし、水回りなどの狭い場所では撮影しやすいアングルでOK。

物件のアピールポイントを短いフレーズで説明する

味気なく情報を並べるだけでは物件の雰囲気がひと目で掴みにくく、興味を引けない広告となってしまいます。
掲載物件の立地・設備仕様などの特徴を整理して、特にアピールすべき長所をいくつか挙げましょう。考えたアピールポイントを、伝わりやすいようシンプルなフレーズにして記載します。
 
<例>
・駅徒歩10分、スーパー・コンビニ徒歩5分圏内、生活便利
・ガーデニングも楽しめる!広めバルコニー
・水回りリフォーム済み、朝に嬉しいシャワー付独立洗面台
・自炊派におすすめ!キッチン広め、三口コンロ&グリル付き
 
一般的でない不動産の専門用語などは控え、誰にでもわかりやすいキャッチコピーにしてください。キャッチコピーで興味を引ければ、物件広告をじっくり読んでもらえる可能性が高まります。

見やすくて興味を引けるレイアウトデザイン

●掲載要素の配置
レイアウトを決める際に大切なのは、広告を見る人が情報を拾いやすい配置にすること。
間取図には十分なスペースを割いて、図上の線や文字が潰れない大きさで掲載します。
写真・家賃や管理費・物件の基本情報・設備仕様の情報は、それぞれの要素ごとに掲載スペースを作ると見やすくなります。
外観写真に関しては、目立つ場所に1枚だけ配置して大きく掲載するのも良いでしょう。室内写真には説明のキャプションをつけるのを忘れずに。
 
●文字フォント
キャッチコピーは他の物件詳細などのテキストに埋もれないよう、文字のサイズを大きくしたり文字色を変えたりして視覚的に差別化します。
 
広告のテキスト部分に使用する文字フォントも、物件の特徴や魅力を表す材料となります。
以下を参考に、ターゲット層や物件の雰囲気にあったフォントを選んでみましょう。
 
<フォントの特徴>
伝統的、高級感、女性的=明朝体
実用的、インパクト、男性的=ブロック体
親しみやすい、個性的=丸ゴシック体、POP体
和風、伝統的=楷書体、行書体
 
●紙面のデザインとカラー
カラーチラシの場合、あまり色数を増やしすぎるとごちゃごちゃした印象になり見づらくなります。3〜4色に抑えましょう。それぞれの色を使用する割合(紙面上の面積)にメリハリを付けると、見やすくお洒落になります。
 
ただし家賃などお金関係のテキストに使用する色は、見落としや勘違いを避けるため、際立って目立たせる必要があります。
全体のデザインが赤系中心なら青や緑、逆に青系や緑系中心なら赤やオレンジといったように、できるだけ他の部分のデザインに使用していない色を使って表記してください。

読んでもらえる物件広告チラシにするために

ただ情報が羅列されただけのチラシでは、例えどこかに興味のある情報が掲載されているとしても、読んでそこに辿り着くまでの労力を払ってもらえません。
物件広告作りでは、物件のアピールポイントをしっかり掘り起こし、写真・キャッチコピー・間取図で興味を引く要素を作ること、知らせたい情報が読む人の目に入りやすいレイアウトにすることが大切です。
 

著:猫野 千秋