リフォーム後に報告される数々のトラブル。せっかくお金をかけたのに、思ったようなようにならず頭を抱えるというケースが少なくありません。そのように残念な結果を招かないためにも、これまでに報告されたリフォームやリノベーションの失敗例、失敗談を具体的に見ていくことで、事前にトラブルを避けることができます。

世にあふれるリフォーム時のトラブル

契約する前はにこやかに決めの細かい対応をとっていたのにもかかわらず、契約が済んだ途端、露骨に対応を変えてくる業者がいます。「契約さえしてしまえば、こっちのものだ」というわけです。また要望を無視するというケースも報告されています。本来であれば、客側に寄り添いながらどのような希望を持っているのか耳を傾ける、ということが重要なはず。そこをおろそかにしてしまう業者も中にはいるのです。
どのような仕事においても『報告、連絡、相談』という3つの要素が大事だと言えます。リフォーム業者の中には、これをきっちり行わない人達もいます。結論から言えば、それが業者側の怠慢としか言えません。恣意的な行動をとることによって顧客の信頼を失ってしまう、という根本的なことを理解していないのです。事後報告ばかりを繰り返す業者は、かなり悪質とみなして良いでしょう。
ここからは特に酷かった事例について見ていきます。床のリフォームをしたあと、どうも傾斜があるように思えるのでビー玉を転がしたみたところ、ころころと転がっていったそうです。「これはさすがに言わないと」と業者を問い詰めたら「大工の仕業です」とまるで自分に一切、責任がないかのように転嫁し始めたというケースがありました。リフォームは完了した時点で全てが終了というわけではありません。アフターフォローも仕事に含まれていることを覚えておきましょう。

トラブルを防止する5つの対策

事前にトラブルを回避するのに、注意すべき5項目というのを挙げていきます。これらをしっかりと理解しておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。

リフォーム業者の選び方

まず行うべきは「情報収集」です。パソコンやスマホを活用すれば、様々な情報を簡単に集めることができます。「ここ良さそうだな」というところが見つかれば、いくつかピックアップしていきます。早期の段階で、ひとつに絞ってしまうのは危険です。候補は複数持っておいた方が選択肢は広がります。
業者と言っても得意分野が異なるのは当たり前。こちらが依頼したい内容を相手が得意としているか、そこをすり合わせておくことでトラブルは減らせます。また過去にその業者がどれだけの実績を積み重ねてきたのかもチェックしておきましょう。駆け出し業者は危険性が高いので、回避したほうが無難と言えます。業者が家から近ければ近いほど、打ち合わせをしやすくなるので何かと便利です。

業者との打ち合わせで注意しておくこと

打ち合わせは事前準備をしていくことで、こちらの不安を減らすことができます。例えばどのような順番でリフォームを行っていくのか、日程の詳細、また使用する塗料などの項目をあらかじめ書いておくことによって、打ち合わせ本番での聞き漏れを減らすことができます。修理や塗装で用いる素材については詳しく掘り下げて質問するようにしてください。どの素材を選ぶかで料金もかなり変わってきます。可能であれば素材の相場などもあらかじめ調べておきましょう。どの素材をどれだけ使えばどれくらいの費用がかかるのかを、わかりやすく解説してくれるリフォーム業者は、信頼しても問題ありません。

見積りを比較するポイント

数社で見積もりとって比べることを「相見積つもりをとる」と言います。これをすることで法外な値段をふっかけてくる業者に騙されないで済みます。「A社さんではこれだけの価格だったのに、ここまで開きが出るのはどうしてですか?」と尋ねてみて、しどろもどろになったとしたら、それだけやましいことをしようとした証拠。長年実績を積み重ねているリフォーム業者は、比較してみてもそれほど金額的な開きが生まれません。
また相見積もりをとって、「ここより安くしてください」とお願いした途端、ガクンといきなり金額を減らしてくる業者もいます。恐らくこういったケースでは、極端に安い素材を使うことで費用を押さえようとしています。それを説明してくれるのならまだしも、説明なしで大幅な値下げをしてきた場合は注意が必要です。

リフォーム契約書を交わす際の留意点

契約書は細かくチェックするよう心がけましょう。万が一不備などがあれば、それがあとでトラブルのもとになりかねません。計算間違いなども含めて、印鑑の押し忘れがないかなど、厳しく目を通していきましょう。仕上げ表などが添付されている場合は、そちらの方も読み込んで疑問点があれば、小さなものでも必ず尋ねるようにしてください。もし「そこで誠意のない反応をされたなら、契約をとりやめる」というくらいの考えがあっても良いくらいです。

リフォーム完了後の注意点

リフォームが完了したあとは、完成検査もしくは竣工検査と呼ばれるものを実施してください。図面と変わらない仕上げになっているか、契約書どおりのリフォームをしてもらえたかなどをじっくり見ていきましょう。もし複数の家族で立会いができる場合は、ぜひそうしてください。何人かの視点があることで「何重にもチェックができる」というメリットがあるからです。

まとめ

失敗しないためのリノベーションやリフォームについて見てきました。客側の目線を常に意識することができる業者を早い段階で選ぶことができれば、ここで紹介したトラブル事例などにいたることはありません。
全てをリフォーム業者に教えてもらうのではなく、ある程度はこちらで知っておくことも大切です。突っ込んだ質問をしたときこそ、これまで誠実に仕事をしてきた人なのかがわかる瞬間なのです。あなたが良い業者に出会えて素晴らしいリフォームができることをお祈りしております。