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ゴミ置場は内見時の重要チェックポイント

入居するか否か、決断を下すには内見は欠かせないもの。この最終判断の際、意外としっかりチェックされる重要ポイントがゴミ置場です。
きれいに使われていると気分が良いのはもちろんですが、単にそれだけを見られるわけではありません。
ゴミ置場の様子次第で、建物の管理が行き届いているか?入居者や周辺住人のモラルは高いか?といったことがわかり、入居後気持ち良く生活できるかどうかの重要な判断材料となります。
 
入居を後押しするゴミ置場とは一体どんなものなのか?賃貸マンションのゴミ置場で起こりがちなトラブルと合わせて、対策をご紹介します。
 

マンションのゴミ置場で起こるトラブル

●入居者のゴミ捨てマナー
分別ルールを破っていたり、回収日を無視して捨てたり、粗大ごみを手続きを踏まず投棄したり、入居者の中にゴミ捨てルールを守れない人がいると、ゴミ置場にはいつもあらゆるゴミが放置されることになります。
見た目の印象が悪いのはもちろんのこと、悪臭や虫の発生も心配です。いつもゴミがある状態では設備の手入れもままならないので、汚損や劣化も早まってしまうでしょう。
 
●近隣住人の不法投棄

路上に面したゴミ置場や敷地外から出入りしやすいゴミ置場では、「地域のゴミ置場より便利だから」と入居者以外の人がゴミを捨ててしまうことがあります。
ゴミの分別ルールが守られていれば回収自体には問題が起こりませんが、もし分別に問題があれば物件の管理者が対処しなければなりません。また、分別ルールを守っているからといって入居者以外の投棄を黙認すると、同じような行為をする人が増えてしまい、いずれ住人に不便が生じる可能性があります。
 
●通りすがりの不法投棄
人通りの多い通りに面していたり、お祭りやお花見などのイベント会場が近くにあったりすると、通りすがりにゴミを投棄されることが多くなります。回収日も分別ルールも全く配慮されず捨てられるため、一つ一つのゴミは小さくても後始末の労力は多大なもの。
悪臭や虫が発生すれば、近隣住人からクレームが入ることもありえます。
 

ゴミ置場のトラブル対策

●ゴミ置場のタイプ別でトラブルの内容と取るべき対策が変わる
マンションのゴミ置場は、敷地内にゴミ集積施設を設置したもの、ブロック塀などで囲んでゴミ置場スペースとしたもの、敷地外の路上がゴミ集積所になっているケースなど、いくつかのタイプがあります。
敷地内にゴミ集積施設がある場合は、近隣住人や通りすがりの投棄はあまり心配いりません。入居者への対策のみを行えば良いでしょう。
囲んだタイプのゴミ置場や路上型だと、外部からの投棄がしやすいため、入居者への対策だけでは不十分です。近隣住人や通りすがりの投棄を防ぐ方法を考える必要があります。
 
●入居者への対策
・ゴミ捨てルールの周知徹底
ゴミの分別ルールは自治体によって違います。以前住んでいた自治体や実家での分別方法が正しいと思い込み、知らずにルール違反をしている人も多いでしょう。また、初めて一人暮らしをする入居者だと、ゴミの分別やゴミ出し作業に慣れておらず、ゴミ捨てのルールを守る意識が育っていない可能性があります。
 
・ゴミ置場の使いやすさを向上させる
ゴミ置場のスペースを区切って、ゴミの分類と回収曜日ごとにサインを描いてみましょう。間違えて出そうとしたときに気付きやすくなります。
回収が週1や隔週であることが多い資源ゴミや燃えないゴミは、出しそびれた人がルールを無視して捨ててしまうということが起こりがちです。生ゴミと違って悪臭や虫の心配があまりないので、専用の大きなゴミ箱を設置するなどして、回収日以外にも捨てることができるルールにしてしまっても良いでしょう。その場合は蓋付きの中身が見えないゴミ箱を用意して、見た目の印象の悪さをカバーしてください。
 
●近隣住人、通りすがり投棄への対策
・ゴミ置場にネットやカバーをかける
ゴミを不法に投棄する人が避けたいのは、捨てようとしているところを見つかって注意されること。だから素早く捨てて立ち去りたいという心理があります。
ネットやカバーを外す手間と時間をかければ誰かに見とがめられる可能性が高まるため、大抵の場合はリスクを避けて捨てるのを諦めてくれるでしょう。
 
・注意書きを書いた看板を設置する
「入居者以外のゴミ捨て厳禁」という内容の看板を設置するだけでも一定の効果が期待できます。
勝手に捨てるのは不法投棄であること、発見したら相応の対処をすることを知らせて抑止力を強めてください。
 
・扉付きの集積所を設置して鍵をつける
可能であれば、ゴミ置場を扉付き集積所にして鍵をつけてしまえば完璧な対策になります。
ただし入居者の利便性が犠牲になるので、他の対策で解消できなかったときに検討した方が良いでしょう。

ゴミ置場を整えて、内見に来た人の心を掴む

内見の際のゴミ置場の様子を入居の判断材料の一つにする人は、やはりゴミ捨てに対するモラル意識が高い人です。他の共用施設や設備、部屋の使い方も丁寧であることが期待できます。
物件の環境を良好に保つには、建物のデザインや管理面以外に、入居者の暮らし方も大切な要素となってくるもの。
まずはゴミ置場の環境とルールを整えることから初めて、住みやすい素敵な物件作りに貢献してくれる入居者を惹きつけましょう。
 
著:猫野 千秋