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古くて粗末でお洒落で上品?「シャビーシック」なインテリアとは?

昭和レトロやアメリカンレトロなど、ヴィンテージ風のアイテムやレトロ感あるカラーリングでまとめたインテリアは、洋の東西を問わず一定の人気を集めています。
今回ご紹介する「シャビーシック」も、そうしたヴィンテージやアンティークをテーマとしたインテリアのジャンルの一つ。
 
シャビーシックは英語の「Shabby」とフランス語の「Chic」を組み合わせた造語です。
Shabby:使い古された、みすぼらしい、粗末な
Chic:上品な、洒落た、あか抜けた
日本語で説明すると、「長く愛され受け継がれてきた物が持つ味わいと、古めかしくも洗練されたアイテムの上品さを活かすテイスト」という表現になるでしょうか。
 
イギリス人の女性デザイナー、レイチェル・アシュウェルが提唱したインテリアスタイルで、1989年にカリフォルニア州サンタモニカに「SHABBY CHIC Couture」1号店が誕生して以来、セレブの間でも注目されるようになりました。
 
傷が付いたりペイントが剥げていたりする木製家具、すっかり曇ったアイアン製のドアノブ、錆びついたブリキのバケツやじょうろ。
こうした「シャビー」なアイテムが作り出すクラシカルで繊細な空間に、花柄やレース、フリルを取り入れて華やかさと優雅さを加えるのがシャビーシックです。
いわゆる姫系インテリアよりもガーリーな雰囲気が抑えられ、甘すぎず落ち着いた空間が作れるため、日本を含めた世界中の幅広い世代の女性から支持を集めるスタイルとなっています。
 

シャビーシックな空間の作り方

・シャビーなアイテム
アンティークの家具などを手に入れられれば理想的ですが、必要なアイテムが都合よくアンティークで見つかるとは限りません。いくつも家具を揃えると費用も掛かってしまいます。
 
ここはこだわりすぎず、工夫して新しい物をシャビーに変えていきましょう。
本物のアンティークでなくても、アンティーク調デザインの家具にDIYでシャビー加工を施せば、シャビーシックなお部屋に相応しい風合いを出すことができます。
アンティーク調デザインの家具は人気の姫系アイテムとして販売されていますので、手に入りやすく欲しい家具も見つけやすいはずです。
テーブルやベッドなど大きな家具に手を加えるのが不安な場合は、シャビー加工をした小物や、クラシカルな花柄ファブリック、レースなどを組み合わせることから始めてみましょう。
 
・無垢材とアイアンとファブリック
シャビーシックを演出するには、家具や小物の質感も重要な要素です。プラスチックや光沢のある塗装が施されたアイテムは雰囲気から浮いてしまうので、お部屋に置くならファブリックなどで質感がわからないように隠しましょう。
理想的なのはシャビー加工のしやすい無垢材やアイアン製。合板の家具はそのままではシャビーな風合いが出にくく、シャビー加工も手間が掛かります。
カーテンやファブリックはリネンとレース、フリル、花柄で、華やかさ、優雅さを醸し出しましょう。
ガーリーな雰囲気をより抑えたいのなら、レースとフリルを控えめに、花柄に変えてヨーロッパの伝統的な模様などを取り入れてみて下さい。
 
・お部屋の色合い
白やベージュを基調として、ペールトーンやライトグレイッシュトーンのように色味や明るさ抑えたパステルカラーを散りばめましょう。
雰囲気が甘く優しくなりすぎると感じる場合は、黒いアイアン製アイテムを置くと空間が引き締まって落ち着きます。ただし引き締め色が多くなると、落ち着きよりハードさが増してしまうので注意。ポイントを絞って使って下さい。
シャビーシックの特徴である大人の女性に似合う上品さ優雅さは、色使いのバランスも鍵になります。

 

家具や小物、お部屋をシャビーにする工夫

・DIYでシャビー加工をする
茶色や黒でペイントした上に白やベージュのを重ね塗りして色むらを作ったり、ペイントの上からヤスリでわざと傷をつけたりすると、古ぼけた風合いを出すことができます。
自然なひび割れを作れる塗料や金属にサビ加工ができる塗料もありますので、活用してみましょう。
 
・ドアノブや家具の取っ手を付け替える
アンティークショップやホームセンター、雑貨屋などで、アンティーク調のドアノブや取っ手が購入できます。自宅のドアや家具に使える物を探して付け替えてみましょう。
手軽にシャビー感を出せるおすすめの方法です。
 
・壁や床をシャビーシックに
壁紙が貼り替えられる環境なら、貼り替えて、ガラリとお部屋の雰囲気を変えてみるのも良いでしょう。古材風やペイントが剥げた木材風の壁紙、伝統柄を使ったアンティーク感ある壁紙なら、シャビーシックなお部屋にマッチします。
床にもこだわるなら、古材風のフロアタイルを試してみて下さい。リアルなシャビー感でお部屋づくりの満足度を大幅にアップさせてくれます。

シャビーシックなお部屋づくりのポイント

シャビーシックなお部屋づくりには、2つのポイントがあります。
一つは、いかにシャビーな風合いを家具などのアイテムに加えるか?ということ。
本物のアンティーク家具のほか、シャビーシックをテーマにした家具もありますが、DIYなら自由度も高く、費用面も抑えられます。ぜひ挑戦してみましょう。
もう一つは、素朴なシャビー感と上品さ、甘やかな雰囲気の絶妙なバランスづくりです。
アンティークとレース、花柄などの組み合わせはどうしてもガーリーに寄りがち。ファブリックの組み合わせや色合いに気をつけて、大人の女性も寛げる落ち着いた空間をつくりましょう。
 
著:猫野 千秋