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ランプは、その人のこだわりが感じられる家具のひとつでもあります。
電気が発明されて以降、ランプはただ部屋を照らす照明機器としてだけではなく、空間を演出し、人々を魅了するインテリアとして、そのデザイン性と技術が磨かれてきました。数々の名作と呼ばれる照明やデザイナーたちによるユニークなランプがあり、私たちの生活に彩りと驚きを与え続けてくれています。時代や文化の流れとともに、求められる機能や役割は変わっていきますが、その洗練されたデザインが色褪せることはありません。
今回はデザイナーズ家具としての「ランプ」をいくつかご紹介したいと思います。

ハンス・アウネ・ヤコブソン

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ハンス・アウネ・ヤコブソンは20世紀の北欧スウェーデンを代表する照明デザイナーです。1951年にハンス・アウネ・ヤコブソン社を設立し、照明機器の開発・製造に携わりました。
彼のデザインは、スウェーデンの美しくも厳しい自然環境から生み出されたもので、光源を隠しながらもやさしく光を照らす設計が特徴となっています。この写真の作品は、ヤコブソンが1957年にデザインした「エリッセシリーズ」と呼ばれる薄いパイン材を使ったペンダントライトで、彼の代表作ともなり世界的な評価を受けました。

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ヤコブソンは日本との関わりも深く、日本の家具・照明メーカーであるヤマギワと協力し、一度製造が終了していた「エリッセシリーズ」を復刻しました。この新たなデザインが加えられた作品は「ヤコブソンランプ」という名前が付けられ、販売されています。
ヤコブソンランプは和室や古民家との相性も良く、優しく包むような光で部屋全体をモダン風に演出してくれます。

FOSCARINI

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イタリア・ベネチアで設立されたFOSCARINI(フォスカリーニ)は、モダン照明の代表的なメーカーとして知られています。ロドルフォ・ドルドーニやマーク・サドラーといった、様々なデザイナーとのコラボーレーションを積極的にしていることで有名で、そのデザイン性は常に革新的で最先端を走っています。
写真のペンダントライトは「ビッグバン」という名の作品になります。アクリル素材を使ったプレートを組み合わせており、その商品名の通り、拡散するような光で人々の注目を惹きつけます。色は白と赤の2種類があり、家庭用の小さなサイズから、レストランやホテルなどに広い場所に適したサイズも製造されています。

壁をめくった先に・・・

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デザイナーズ照明のなかには、個性的で驚かされるデザインも数多くあります。こちらの照明はイタリアのBuzzi&Buzziが販売している「LEAF」というウォールランプになります。直角の切り込みが入った壁から光が溢れるという、シンプルながらも新鮮な感覚の照明です。

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こちらも同じように、壁の角をめくった先から光が漏れてくる照明ですが、さきほどのLEAFは壁への工事が必要だったのに対し、Peelというこの商品は壁に設置できるタイプになっています。制作したのは日本のデザインユニットであるYOY。こういった照明が部屋にひとつあれば、友人や知り合いを家に招くのが楽しみになるかもしれませんね。

AKARI

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この写真は、イサム・ノグチの「AKARI」という作品です。吊り下げ式のペンダントライト、またはスタンドライトなど、様々な種類やシリーズがありますが、共通している特徴は提灯のように、和紙と竹ひごからつくられていることです。
イサム・ノグチはアメリカ人の母と日本人の父のハーフとしてロサンゼルスで生まれました。大阪万博では石庭や噴水を手がけるなど、空間芸術や彫刻家としても有名で、幅広い分野で活動をおこなっていた芸術家です。活動の多くはアメリカなど海外が中心でしたが、幼少期には日本に滞在していたこともあり、AKARIのデザインにもその頃の記憶や体験が込められています。

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日本の伝統が取り入れられ、和のテイストが強く感じられるAKARIですが、シンプルなデザインは洋風の家具や部屋とも相性が良く、海外でも人気の照明となっています。ひとつひとつが職人の手によってつくられており、和紙を通した光には温かみがあり、やさしく部屋を照らしてくれます。
AKARIという作品名は漢字の「明」からつけられたもので、ロゴマークには太陽と月の形が組み合わせられています。1951年に来日した際に岐阜提灯との出会ったことがきっかけでデザインされたAKARIは、イサム・ノグチが生涯にわたって制作を続けた作品で、その種類は200以上にもなります。

生活を照らす光としての「ランプ」

今回はいくつかのデザイナーズ照明をご紹介しました。落ち着ける雰囲気を演出したり、楽しくなるような空間をつくったり、こだわりのランプをひとつ置くことで、部屋の全体のデザインや空間を大きく変えることができます。世界には数多くの照明が、様々な目的やデザイン性を目指して制作されています。あなたもぜひ、自分の好みに合った照明を探してみてはいかがでしょうか。