出典:https://pixabay.com/ja/photos/バスルーム-洗面化粧台-トイレ-1078917/

賃貸物件の共用施設や部屋の設備は、物件の暮らしやすさ、住まいとしての魅力を左右する、重要なポイントです。
需要の高い施設設備を備えていると空室が埋まりやすく、また必須設備以外のプラスαを上手く追加できれば、相場より高めの家賃で借り手を見つけることも可能になってきます。
しかし「必須設備」とはどういうものなのか、「プラスα」の設備は一体どうやって選べば良いのか、見当がつかないオーナーさんも多いことでしょう。
時代とともに生活スタイルが変化すると、施設設備の需要も変わってくるもの。
今どきの賃貸ユーザーに需要の高い施設設備とは一体どんなものなのか?ご紹介します。
※参考:全国賃貸住宅新聞「入居者に人気の設備ランキング2018年度版」

コレがない物件は選ばれない!一般的な基本設備

一昔前は入居の決断を後押しする人気設備だったものも、時代とともに「あって当たり前」「ない物件は選択肢に入らない」基本設備へと変化しています。

・備え付けのエアコン
備え付けのエアコンがない物件は、最新型を購入して利用できるというメリットもありますが、エアコンの購入費や取付工事費用が掛かってしまいます。ただでさえ初期費用でお金の掛かる入居時には、家具や家電の購入もできるだけ出費を抑えたいものです。
 
・バス・トイレ別
バス・トイレが分かれていないユニットバスの物件は多くあるものの、毎日の入浴やシャワーが一般的な日本人にとって使いにくい仕様であることは否定できません。
家賃次第で妥協するケースもありえますが、相場の家賃設定ではバス・トイレ別の物件に入居者が流れてしまう可能性が高いでしょう。
 
・クローゼット
部屋にクローゼットがなければ自分で用意する必要がありますが、クローゼット付きの家具は大型で場所を取るため、部屋の中のスペースが狭くなってしまいます。
備え付けのクローゼットがあれば服以外の収納にも活用できますが、付いていなければやはり収納家具を購入する必要があり、スペースの面でも費用の面でも選びにくい部屋となります。
 
・フローリング
あえて和室に住みたいという人もいないわけではありません。しかし畳は生活のダメージを受けやすく、掃除や手入れもフローリングよりも気を使います。
また、退去時の畳替えの費用が借主負担になるケースも有り、費用面でもフローリングの方が安心感があります。

相場の家賃ならコレは欲しい!必須設備

家賃を妥協せずに借り手をひきつけたいなら押さえておきたい設備です。数年から十年前ならややハイグレードだった設備も、現在では必須設備となってきています。
 
・独立洗面台
バス・洗面台の2点ユニットは、洗面台周りに収納力がないことがほとんど。コンセントが利用できないので洗面台でドライヤーなども使えず、鏡がついていても使い勝手が良くありません。
朝や就寝前の準備、出かける前の準備には、細々とした洗面台周りの用品を収納しやすく、鏡やコンセントが使いやすい独立洗面台が圧倒的に便利です。
 
・温水洗浄機能付き便座
最近ではお店などでトイレに入っても、温水洗浄機能付き便座が取り付けられていることが普通となりました。
最も利用する頻度の高い自宅のトイレ環境にも、快適さが求められています。
 
・無料インターネット
入居者がプロバイダと契約する必要がなく、入居後すぐに使えて月々の支払いもないという、入居者にとってはとても嬉しい設備です。
すでにインターネットは生活必需品となっているため、今後は「付いていないと入居を躊躇する」条件になる可能性も高いでしょう。

女性ターゲットなら設置したい設備

女性向けのマンションなら、女性ならでは生活の利便性を考えましょう。
(参考:今日から女性ターゲット!でもどうやって?

・TVモニター付きインターホン&オートロック
女性の部屋探しは防犯重視。この2点は女性をターゲットにした物件にするなら、必ず抑えておきたい設備です。
 
・室内の物干しポールや浴室換気乾燥機
下着類などを外から見えないところに干しやすいよう、室内に物干しポールがあると便利です。また、女性の服は形や素材が男性の服より種類が豊富で、陰干し必須、手洗い必須で洗濯機での脱水NGのものなどがよくあります。浴室換気乾燥機があると、そうしたデリケートな衣類を浴室で干すこともできます。

一人暮らしの生活にあると嬉しい施設設備

どんなに忙しくても、代わりに家のことをしてくれる人がいない一人暮らし。利便性アップする施設設備はありがたいものです。
 
・宅配ボックス
ネットショッピングで気軽に買い物ができる現代、自宅にいなくても荷物を受け取れる宅配ボックスは、一人暮らしの人にとってありがたい設備です。
いずれ必須設備になってくる可能性は高いでしょう。
 
・24時間利用ゴミ置き場
仕事や学校に行く前にゴミ置き場に行く余裕がなかったり、仕事や遊びで外泊して朝ゴミを出せなかったり、一人暮らしではゴミ出しに失敗してゴミを家に溜めてしまうことが起こりがち。
24時間利用できるゴミ置き場は、代わりに捨てに行ってくれる家族がいない単身者はぜひ欲しい施設です。
(参考:入居契約は「ゴミ置場」次第?賃貸マンションのゴミ置場トラブル対策

ターゲット層の需要に応える物件を作る

住まいの理想は人それぞれ。施設設備へのこだわりにも違いがありますが、ターゲット層を絞ることによって、どんな施設設備を充実させるべきかある程度絞ることができます。
ターゲット層にヒットする施設設備を充実させて、他の物件との差別化を図りましょう。需要にしっかり応える物件を作り上げられれば、たとえ相場より高めの家賃でも、入居者は納得して決断することができます。
(参考:「住みたい部屋」の条件を模索して辿り着く場所は?
 
著:猫野 千秋