出典:https://pixabay.com/ja/photos/犬-眠っている-ペット-動物-923610/

ペット共生物件には、人とペットが快適に過ごせる環境づくりが求められます。
汚れ、ペット臭、足音などの騒音、爪とぎ等による傷。ペットと暮らす上で対策必須な問題を解消、軽減できるペット対応の建材にはどういう物があるのか、ペット共生物件へのリノベーションをお考えのオーナー様向けに、建材の選び方やメリット・デメリットをご紹介します。

部屋を守りペットも守る床材

爪とぎや遊びの際につく傷、ペットが走り回ったり飛び降りたりする際の騒音、吐き戻しやトイレの失敗など、ペットが過ごす部屋の床は毎日ダメージを受けます。
また、滑りやすい床はペットにとって危険なため、汚れや衝撃に強いだけでなく、安全性も確保された床材が理想です。

●クッションフロア

表面が強化・コーティングされていて傷がつきにくく掃除がしやすい。それが建材メーカーなどで用意されている、ペット対応クッションフロアの基本機能です。
基本機能にプラスして、消臭効果のあるもの、通常のクッションフロアより厚みがあり衝撃吸収性に優れているもの、グリップが効いて防滑性のあるもの、アレルギー物質を吸着する機能があるものなど、違った特徴を持つ床材が何種類もあるので、どんなペットの飼育が想定されるのか、必要な機能は何かを考えて選びましょう。
猫共生物件であれば、高いところから飛び降りた際の騒音を軽減できるよう、衝撃吸収性の高いクッションフロアがおすすめ。
犬の場合は肉球が滑りやすく、グリップが効かない床では腰などを痛める危険性があるため、防滑性のあるタイプが適しています。

●ワックス

床を張り替えず、フローリングワックスを塗ることで防滑性をアップさせることもできます。
ペット対応の専用ワックスであれば、傷にも強くなり、ペットの粗相で白く変色することもありません。健康面の安全対策にも安心感があります。
リノベーションの費用を抑えられて工期が短縮できる点もメリット。
一方、ペット共生用の床材ほどの耐久性は期待できないため、塗り替えのランニングコストが掛かります。

●ビニル織物床材シート

PVC(ポリ塩化ビニル)性の糸を編んで作られたカーペットタイプの床材です。
カーペットのように敷くことができますが、質感は畳に似ているため、適度にグリップが効く防滑性があります。
編み込みがしっかりしていて耐久性が高く、ペットの爪で引っ掻かれてもほつれる心配はありません。
汚れは濡れ雑巾などで簡単に拭き取れます。吸水性が低いため、ペットが粗相をしても染み込まず掃除はとても簡単。
カラー展開が豊富なので、デザイン性の高い床にして物件のアピールポイントにすることもできそうです。

猫共生物件なら対策必須!爪とぎの傷を防止する壁材

猫の爪とぎの犠牲になりやすいのが家の壁や柱。
爪とぎしにくい保護シートや傷のつきにくい化粧パネルで保護しましょう。

●腰壁部分を保護する

猫の爪とぎによる傷は、基本的に腰壁の範囲を保護すれば防止できます。ここで紹介する保護シートや化粧パネルを壁全体に貼り付ける必要はありません。
腰壁で壁紙の色柄を切り替えたり、壁紙と化粧パネルのゾーンと切り替えたりすることができるので、デザイン性の高い壁にすることも可能です。
劣化しても腰壁の範囲だけ張り替えれば良いので、コストを抑えられます。

●吸着タイプの壁用保護シート

凹凸がなくツルツルした表面になっています。
壁紙の上から貼ると、爪を引っ掻けることができず爪とぎしづらくなるため、壁紙で爪をとがなくなります。
色や柄が付いたものと半透明のタイプがあるので、既存の壁紙と上手く組み合わせて内装をデザインしてみましょう。
接着剤無しで貼り付けられるため、劣化したときに取り替えやすいのがメリットです。ただし、凹凸が大きな壁には貼り付けられない場合があります。

●特殊強化化粧シートを使用したパネル

表面が強化された化粧パネルで、猫が爪とぎをしても傷が付きません。
設置コストは保護シートより高くなりますが、木目パネルの色合いを選んでデザインにこだわることが可能です。おしゃれで多少の高級感も感じられる内装にできるでしょう。

ペット対応網戸で爪とぎ・よじ登り・脱走対策

ペットが居るからこそ網戸で空気を入れ替えて、ペット臭対策と室温調整をしたいところ。
しかし網戸はペットにとって格好のおもちゃです。一般的なポリプロピレンの網戸では、ペットが引っ掻いたりよじ登ったりする衝撃に耐えられません。あっという間に網目が歪んで破れてしまい、さらには破れた場所から脱走してしまう危険もあります。

●塩化ビニルコーティング

ポリプロピレンより丈夫なポリエステルを使い、さらに塩化ビニルでコーティングした網戸です。
ペット対応網戸として一般的で、DIYで張り替える人もいます。
グラスファイバーを塩化ビニルでコーティングしたものもあり、こちらは強度に加えて防火性能も高くなっています。

●ステンレスの網戸

ステンレスワイヤーの網戸は、強度と耐久性が抜群。ペットの爪で破れる心配はほぼありません。
傷はもちろん汚れも付きにくく、お手入れが簡単。ステンレスなので錆びにくいという特徴もあります。
設置時の価格の高さがネックですが、十数年使えることを考えれば、ランニングコストを抑えられて長期的にはお得と言えるでしょう。
網戸自体に鍵をつけられるタイプもあり、こちらを導入すれば、住人不在時ペットのために網戸にしている状態でも、防犯面での安心感がアップします。

出典:https://pixabay.com/ja/photos/猫-ペット-動物-眠っている-1903024/

必要な機能を見極めて建材を選ぶ

ペット対応の建材とひと口に言っても、どんな動物と暮らすのかによって必要とされる機能は違います。
猫であれば、爪とぎ対策と高所から飛び降りたときの騒音対策、犬であれば床の防滑性、鳴き声対策の防音機能が重視されるでしょう。
動物独特のニオイの強弱も、ペットの種類によって違うものです。
犬と猫どちらかの共生物件にするのか、両方を変えるペット共生物件にするのか、あるいは他のペットも買える環境を整えるのか。
方針を決めて必要な機能を見極め、コストを掛けるべき部分を検討しましょう。
 
著:猫野 千秋