出典:https://pixabay.com/ja/photos/パティオ-家具-ソファ-テラス-364255/
アウトドアリビングとはなにか?
アウトドアリビングとは、屋上や広めのバルコニーにテーブルやソファなどを置いて作り上げる、リビングのように寛げる空間のこと。
光と風を存分に感じられる、屋外ならではの開放感を生活の中に取り込む新しいスタイルです。
戸建では屋上や庭を使ったアウトドアリビングが人気となっており、最近のマンションでもアウトドアリビングが生活空間に溶け込みやすい造りが増えてきています。
開放感ある空間でリラックスして過ごす気持ちよさは格別で、ちょっとしたリゾート感、非日常感に浸ることもできるでしょう。
来客を気軽にもてなすこともできますし、夜には自宅から夜景を眺めたり天体イベントを満喫したり、プロジェクターとスクリーンを用意して屋外ミニシアターにしたりすることもできます。
アウトドアリビングがあると、生活に特別な楽しみがいくつも増えるのです。
寛ぎ空間を作る屋根と目隠し
屋上やバルコニーに家具を置けばすぐさま寛ぎ空間ができあがる、というわけではありません。快適に過ごせるアウトドアリビングにするには、必須の対策が2つあります。
●日差し対策
遮るものがなく日差しにさらされていると、暑さと眩しさでとてもリラックスするどころではない状態になります。
賃貸物件ならパラソルやサンシェードを使って、日差しを避けられるスペースを作りましょう。サンシェードには工事なしで取り付け可能なタイプがあります。
少し大掛かりなDIYになりますが、日当たりを活かして藤棚のように植物で屋根を作ってみるのも気持ち良さそうです。
工事ができる場合は、オーニングという布製の可動式屋根が便利。カフェなどの店舗の入口や窓部分によく設置されているもので、必要ないときには収納しておくこともできます。
●目隠し設置
アウトドアリビングはプライベート空間です。隣近所からの視線が気になると落ち着けませんし、室内にいるように過ごしている姿は目にする方も戸惑ってしまうかもしれません。
プライバシーを守るために、フェンスを取り付けたり背の高いグリーンの鉢を並べたりして、目隠しを作りましょう。オーニングにもサイドからの目隠しが付属したものがあります。
アウトドアリビングの重要ポイント、ロケーション
自宅のバルコニーや屋上からの眺望に開放感があればベストですが、すぐ目の前に背の高い建物があったり、見える範囲がリラックスできないごちゃ付いた風景であったり、満足できるロケーションでないことも大いにありえます。
その場合は背の高い壁やフェンスを建てて、イマイチなロケーションが目に入らないよう隠してしまいましょう。目隠しの内側の空間を、自分の好きなように、完璧にデザインしてしまうのです。
アウトドアリビングは屋内リビングのロケーションを担う空間でもあります。季節感のある植物を配するなど、室内から眺めたときの満足感も意識して、屋外ならではの自由な空間作りを楽しんでください。
アウトドアリビング楽しむために
●風雨対策とメンテナンス
新築やリノベーションでアウトドアリビング用のスペースを作るなら、防水性・耐候性・耐久性に優れた建材を選んでください。
設置する家具も、金属性や高密度ポリエチレン、塩化ビニールなど風雨に強い素材を使うか、雨天やメンテナンスの際に移動しやすいものにしましょう。特に高密度ポリエチレンの編み込み家具は、軽くて熱や紫外線にも強く、水をかけての丸洗いも可能、その上見た目がラグジュアリーでリゾート感があるのでおすすめです。
布製のソファなど本来屋内で使用する家具を置く場合は、買い替えやすい価格帯のものにしておくと、傷んだときに交換しやすくなります。
●虫対策
屋外空間では虫対策も必要です。蚊に刺されたりハエが寄ってきたり、照明に蛾が集っていたりしては、せっかくのリラックスタイムも台無し。
特に夏場は、蚊取り線香や虫除け剤でしっかり対策してください。扇風機やサーキュレーターで温度を下げたり空気を循環させたりするのも、虫が寄り付くのを防ぐ効果があります。
●電源確保
可能であれば屋外用のコンセントを設置しておくと、よりアウトドアリビングライフが充実します。
照明に虫対策の扇風機、ランチやディナーを楽しむ際の調理器具、夜間の屋外ミニシアターではプロジェクター等々、電源があると便利なシーンはたくさん。
雨に濡れたり、虫や砂埃などが入り込んだりしないよう、コンセントにはカバーを取り付けましょう。
アウトドアリビングで感じる新しい幸せ
アウトドアリビングはこまめなメンテナンスが必要で、管理に少々手間がかかります。
しかし、屋内リビングでは挑戦しづらい空間作りができて、デッキチェアやハンモックなど、部屋の中では使用しにくい寛ぎアイテムが日常使いできるという楽しみもあります。
何より、空の見える場所で光と風を感じながらのリラックスタイムは格別に気持ちが良いものです。
手間をかけるだけの価値は充分。ぜひ生活空間に取り入れてみてください。
著:猫野 千秋